最高賞の栄誉に奥平さん/なりやまあやぐまつり
子供の部は仲田君受賞/月明かりの下、歌い上げる
第15回「なりやまあやぐまつり」(主催・同まつり実行委員会、友利部落会)が9日、城辺友利のインギャーで行われた。一般の部に57人、子供の部に8人が出場。審査の結果、一般の部最高賞の「なりやまあやぐ大賞」には前回大会で2位だった奥平乙斗さんが輝いた。また、子供の部最高賞の「御神山賞」は平良第一小学校5年の仲田柚貴君が受賞した。
新型コロナウイルス感染症の影響で開催が見送れてきた中、今回は3年ぶりの開催となり会場は久しぶりの開催ということもあり熱気に包まれた。
一般の部の本選は、月明かりと会場に設置された灯籠の明かりに照らされた特設ステージで行われ、観客は幻想的な雰囲気の中で島唄の魅力を堪能した。
この祭りは、城辺友利で生まれた宮古民謡「なりやまあやぐ」を次世代に継承するとともに、地域の活性化を図ることが狙い。
開会のあいさつで実行委員会の奥浜健会長は「まずは3年ぶりの開催にこぎ着けたことを喜びたい。これからもこの祭りの意義を大切にしながらしっかりと受け継いでいきたい。また、15回目の今回は協賛企業、海上舞台の設置に協力してもらった自衛隊の皆さんに本当に感謝している」とあいさつした。
座開きでは、友利獅子舞保存会による獅子舞が披露されたほか、みるく口説保存会による「みるく口説」が披露された後に、予選を勝ち上がった20人による一般の部がスタートした。
海上の特設ステージに1番目に立った奥平さんは、ゆっくりとした旋律で三線を奏で、それに歌声を乗せて会場の聴衆を魅了した。
奥平さんはこれまでにも、子供の部で「御神山賞」、3年前には一般の部で2位(金志川賞)の実績を持ち、現在は沖縄国際大学で琉球古典音楽や八重山民謡にも挑戦している。
念願の「なりやまあやぐ大賞」については「大学で古典音楽を学ぶ中で宮古民謡の魅力と奥深さを再発見している。きょうは3年前に比べて歌詞の意味をより深く理解し、情を込めて歌うことができた。自分の実力を出し切れたと思う。将来は宮古に戻って教室を開設して宮古民謡のレベルを上げたい」と笑顔で話した。
子供の部で最高賞の仲田君は「開催できなかった3年間練習してきたので、初出場だけど自信はあった。それでも、大賞と聞いてすごく感動した。将来は同じ教室に通う奥平さん(今回の一般の部大賞)のように、一般の部でも大賞を目指して頑張りたい」と意気込んだ
結果は次の通り。
【一般の部】なりやまあやぐ大賞=奥平乙斗さん▽金志川賞=下地洋一郎さん▽インギャー賞=根間玉恵さん▽あま井賞=岩田友里奈さん▽元島賞=根間美穂さん
【子供の部】大賞(御神山賞)=仲田柚貴君▽2位=長嶺海咲さん▽3位=長嶺凪さん