農家、生産法人の救済策を/与党、中立市議
市長に対策実施を要請/ハーベスター利用料値上げで
宮古地区の2022-23年産サトウキビ収穫に当たりハーベスター利用料金が値上げされることについて、市議会与党と中立会派の議員が4日、市役所に座喜味一幸市長を訪ね、利用料金の値上げを抑制するため、サトウキビ生産農家とハーベスターを所有する生産法人への救済策を講じるよう要請した。座喜味市長は「大変重い指摘。宮古地区ハーベスター運営協議会とも相談していきたい」と述べるにとどめた上で、生産法人には燃料費等の免除申請、農家には株出しの早期更新などの自主努力も必要との見解を示した。
要請は新政会(池城健会長)、保守心和会(上地堅司会長)と市議の上里樹氏、友利光徳氏が行った。
新政会の長崎富夫氏は利用料金の値上げについて「昨今の燃料費、人件費、機械修理にかかる部品代の高騰を受けての措置であり、当方も理解している。値上げはまっとうな判断だと思うが、栽培農家も肥料代の高騰など生産コストの急騰にあえいでいる。市にはサトウキビ生産農家、ハーベスターを取り扱う法人の救済策を講じてほしい」と求めた。
座喜味市長は「報道で状況を把握したため、価格高騰がどういった部分で厳しい状況となっているのかを調べたい。農家に直接転嫁する値上げとなっているため、ハーベスターを所有している事業者にも話を聞く必要がある」と理解を示しながらも、燃料費の免除などもあると紹介し、「燃料をなんとか安くするため、免税措置を簡略化してほしいと県とも調整しているがなかなか動かない。手続きが煩雑ということではなく、ハーベスターの生産法人も自助努力は必要だと思う」と述べた。
また、保守心和会の西里芳明氏は、サトウキビの生産農家が株出しを何年も続けているため、反収(10㌃当たり収量)が上がっていない現状で、ハーベスターを稼働させるための燃料費がかさんでいると聞いていると指摘した。
「同じ面積のほ場を刈り取る際には、最初は1反当たり8㌧だったのが2年後には5㌧、3年後には4㌧など目減りしている。燃料費が高騰している状況で収量が減少すれば値段を上げざるを得ないと聞いている。生産体制についても検討する必要があるのではないか」と訴えた。
同席した砂川朗農林水産部長は「株出しの更新が長く続いて収量が減少しているということも聞いている。そのため、2~3年前から夏植えを推進している」と説明。座喜味市長も「(生産農家も)反収が5㌧を切ったら植え替えするなどの取り組みが必要だと思う」と話した。
さらに座喜味市長は「市としても物価高騰に伴う補正は農薬や肥料など対応している。農家所得10%向上を考えると、ハーベスター利用料金の値上げは手取りがさらに減少する。同協議会とも相談しながら検討していきたい」と強調した。
与党市議らは市長への要請に先立ち、宮古地区ハーベスター運営協議会にも値上げについて再考を求める要請を提出した。