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政治・行政
2022年11月16日(水)9:00

多良間村 8000万円支払いへ/製糖工場建設追加費用訴訟

和解案を議会が可決/村長「責任は解決後に検討」

 

和解案について裁決では賛成・反対同数となった=15日、多良間村議会

和解案について裁決では賛成・反対同数となった=15日、多良間村議会

新製糖工場建設にかかる機械設置工事を請け負った月島機械への追加費用の支払いについて、費用額で同社と争っていた村が和解に同意することが15日分かった。追加費用として同社に対し新たに8000万円を支払うことで合意する。同日開催された村議会(福嶺常夫議長)臨時会に費用を提案。採決では賛成、反対同数となったことから最後は議長採決で可決した。質疑で責任を問われた伊良皆光夫村長は「責任問題については問題が解決してから検討したい」と述べるにとどめた。

同裁判は新製糖工場の建屋基礎工事が遅れたことから、圧搾機械などの設置工事が大幅に遅れたことで、請け負った月島機械が村側に不適切な工程管理があったと主張し追加費用の支払いを求めたもの。一方、村は当初3億700万円だった請求額が、訴訟時には1億円減額し2億60万円となるなど、同社が過大請求をしている可能性が高いとして金額面で争っていた。

村側は2020年6月までに同社に1億円を支払っており、今回の和解でさらに8000万円を支払うことで、計1億8000万円の追加費用を支払うことになった。

質疑で豊見山正氏が「これまで村はこれ以上の追加費用は一切発生していないと説明していたが、さらに8000万円も支払う。なぜか」と質問。伊良皆村長は「裁判所が2年以上の審理経過を踏まえ、公平な立場で双方に勧告したもので、内容は公平かつ合理的なものと判断できる」と答えた。また「損害賠償額は1億8000万円になる。村民税の2年分。今年度の村予算の5%となる。村の責任もある。伊良皆村長は進退も含めて責任を明言すべき」と追求した。

伊良皆村長は「議会で承認され、裁判所からの支払い命令を踏まえ、村が支払いをするなどこの問題が解決した時点で検討する」と述べた。

森山実夫氏は「追加費用を支払うことになったのは村の工程管理が不適切だったことが原因ではないか」と言及。伊良皆村長は「建屋工事、機械設置の工事は連携しながら進めてきたと考えている。工程管理が適切でなかったとの認識はない」との見解を示した。

討論では野党議員が「(不適切な工程管理がなければ)和解勧告には従わず、最後まで裁判を続けるべきだ」として和解案に反対した。与党議員は「調停案より和解案は3000万円も増加している。和解案を蹴っても金額はゼロにはならない。それを踏まえてほしい」と早期に解決すべきとの立場で和解に賛成した。その後採決が行われ、賛成3、反対3の同数となり、福嶺議長の裁決で可決した。

臨時会ではこのほか「たらぴん公園整備工事」の工事請負契約、緊急車両購入、教育委員会委員の任命なども審議し、原案通り可決した。


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