今年度2回実施も低迷/集団がん検診受診者数
19年度比7割にとどまる/市、続く減少傾向を危惧
今年度、受診率の向上を目指して市が2回実施した住民健診(基本健診、特定健診、長寿健診)と、がん検診(肺がん、胃がん、大腸がんなど)の集団健診。2回目を終えて市が特に受診者数の上昇を期待したがん検診については思ったほどの効果が出ていないことが分かった。受診者数の低迷は、がんの早期発見の機会を失うことにもつながることから、市健康増進課では「集団健診での受診者が少なかったので、個別医療機関でも積極的に受診してほしい」と呼び掛けた。
新型コロナウイルス感染症の影響が出る以前の集団健診におけるがん検診の受診者数は、2019年度に大腸が1613人、胃が588人、肺が2007人だった。
20年度は新型コロナの影響で集団健診が中止となり、翌21年度に実施された集団健診では、大腸が1233人、胃が473人、肺が1445人となって19年度に比べて大きく落ち込んだ。
こうした背景もあり、市では22年度について例年10月に1回実施している集団健診を7月と10月の2回実施して受診率向上を目指した。
しかし、2回実施するも大腸は1173人(19年度比・72・7%)、胃も415人(同・70・5%)、肺1453人(同・72・3%)にとどまった。
同課では「市の集団がん検診の受診者数は年々減っている。早期発見のためにも健康意識を高めて1年に1度はがん検診をしっかり受けてほしい」と話した。
がん検診について市は、大腸、胃、肺とも同時に実施できる民間の医療機関が島内には少ないことから、特定健診と同時に受診できる集団健診での実施を呼び掛けている。
来年度の集団健診について市は、今回同様に2回実施を予定していることから、積極的な受診を求めている。
2日に行われた市健康増進計画推進会議で示された「健康みやこじま21(第2次計画)」の最終評価でも、低迷するがん検診の受診率問題が取り上げられた。
その際にも、がん検診の受診率が落ち込んでいることは、早期発見の機会が失われていることにもつながることが指摘され、受診率の向上が喫緊の課題であることも確認されている。