人命救助、迅速に/宮古島海保、琉球水難救済会
海難事故想定し合同訓練/心臓マッサージ、AED操作など
宮古島海上保安部と琉球水難救済会は7日、上野宮国のシギラビーチで合同救難訓練を実施した。心肺蘇生法、溺水者の搬送などの訓練の後、想定した溺水者を海中から救助し搬送から心臓マッサージ、AED(自動体外式除細動器)操作までの一連の流れでの訓練を行った。
シュノーケル中の事故を想定した官民連携訓練を実施することで、救難技術の向上、迅速な海難救助活動につなげ両機関の連携強化を図ることを目的としている。
宮古島地区における2022年の海難事故件数は7日現在29件、このうちマリンレジャーに関する事故は10件で、4人が命を失っている。
この日は、同部巡視船「はりみず」の潜水士が、訓練に参加した宮古島東急ホテル&リゾーツ救難所、ブリーズベイマリーナ救難所のスタッフに救助方法を指導した。
同部の福本拓也部長はあいさつで「広大なリーフに囲まれた平穏な宮古ブルーの海に人々は魅了され、多くの観光客が訪れマリンレジャーを楽しんでいる。同時に宮古の海は風と潮の影響を受けやすく、離岸流も至る所で発生するなど、どこで海難事故が起こっても不思議ではない」と警告した。
その上で「民間救助機関との連携強化、それに基づく官民一体となった海難救助体制の構築が重要だと考える。本日の合同訓練が一人でも多くの人命を迅速に救うことができる一助となることを期待する」と述べた。
訓練に参加した丸橋智之さんは「短い距離でも人を波打ち際まで運ぶことは、体力を消耗する。海から上がるとぬれているので、AEDの操作は陸にいる人が対応したほうが効率的だと感じた」と話した。