人材不足解消で組合設立へ/特定地域づくり事業
市、支援補助金を計上/総務財政委予算案審議
市内では現在、人材不足に対応するため加盟事業所に人材を派遣する「特定地域づくり事業協同組合」を設立する準備が進められていて、市では同組合への設立支援補助金として、開会中の市議会12月定例会に提出している一般会計補正予算案に300万円を計上している。8日に開かれた市議会総務財政委員会(下地茜委員長)で同予算案についての審議が行われ、担当職員は今年度内に設立の届け出を行い、新年度から活動を開始させたい考えを示した。
特定地域づくり事業とは、農林水産業や商工業などの地域産業の担い手を確保するために、季節ごとの労働需要に応じて複数の仕事に従事できる人を、人材を必要とする事業所に派遣する労働者派遣事業。宮古島では、夏場が繁忙期の観光業従事者が冬場に農水産業に派遣されることなどが想定される。同事業協同組合設立に対しては国と市町村から財政的支援を受けることができる。
宮古島市では現在、組合発起人となる予定の農水産業と観光業の計5社が設立準備会で設立に向けた議論を行っていて、今年度内に組合設立の県知事認可と厚生労働省への届け出手続きを行い、新年度からの事業スタートを目指している。
総務財政委員会では産業振興局の担当職員が同事業について説明。地域内の4社以上の事業者が発起人となり組合を立ち上げて組合員を公募することや、個人事業主も組合に加盟できること、組合運営経費の2分の1を市と国が補助することなどを紹介。「地域内で繁忙期が異なる農業や観光といった事業者が、年間の仕事の組み合わせを行うことで雇用を作り出すという制度」と解説した。
宮古島市の状況については「農業、漁業、観光業で特定の時期に人材が足りない状況が顕著にある。地域の中で需要を賄うことが重要」との認識を示した。
委員からは幅広い業種を組合加盟対象とすることなどを求める要望が出された。