収穫順調も糖度上がらず/22─23年期キビ
宮糖基準帯、沖糖下回る/島内2工場 操業開始1カ月
2022─23年期サトウキビの製糖操業が始まって約1カ月が経過した。出だしは天候不順で収穫作業が進まなかったが、昨年12月下旬から天候が回復、ハーベスターが本格稼働し、順調に進んでいる。一方で平均糖度が低迷し、農家は頭を抱えている。宮古製糖城辺工場は基準糖度帯(13・1~14・3度)をクリアしているが、沖縄製糖は12・43度と大きく下回っている。
沖糖は14日までの累計で搬入された3万2757トンのうち、基準帯を下回る原料(キビ)が2万5530トンと全体の78%を占めている。基準帯内は19%、基準以上は3%しか搬入されていない。日計で基準帯をクリアした日はわずか1日だけだった。
沖糖は「基準帯をクリアしない操業開始は今まで経験したことがない。長雨による日照不足が影響しているのではないか。光合成が不足すると、糖分が生成されにくい」と話している。糖度が低いと精製される砂糖も歩留まりが上がらないという。
宮糖は13日までの累計で2万9918トンを搬入。基準帯内は47%、基準以上が15%で合わせて62%がクリアしている。平均糖度は13・34度。徐々に上昇してきており、日計では13度後半になっているという。宮糖は操業開始から、基準帯を下回った日はない。
地区内では宮古製糖伊良部工場が12月8日、同城辺工場が9日に操業を始め、沖縄製糖が15日、宮糖多良間工場は20日に開始した。地区内4工場がそろって2期連続で年内操業になった。宮古島地方は昨年10月半ばから天候が崩れ、約2カ月、雨天や曇天が続いていた。ようやく12月下旬になって天候が回復した。
農家手取りのサトウキビ価格は品質(糖度)によって、交付金と原料(キビ)代金の合算で決まる。