宮国さんに中央畜産会長賞/和牛生産発展に寄与
81歳「あと10年頑張りたい」/県畜産振興公社が伝達
公益社団法人中央畜産会(森山裕会長)はこのほど、長年にわたり和牛生産の発展に寄与したとして、宮国光雄さん(81歳、城辺西里添・西中)に特別賞として同会会長賞を贈った。宮国さんは、昨年10月の全国和牛能力共進会(通称・和牛オリンピック)で県代表として出品した「ゆかり号」が第4区繁殖雌牛群で「一等一席」に輝いた。「一生忘れられない年になる。体が持つ限り、あと10年くらいは(畜産業は)大丈夫かなと思う」と喜びを話した。同賞は県内からは宮国さん一人。
伝達式が20日、JAおきなわ宮古地区本部で行われ、県畜産振興公社の仲村敏理事長が賞状を読み上げて、副賞の盾と一緒に手渡した。
出席した宮古和牛改良組合の荷川取広明組合長は「宮国さんを始め、先輩たちの長年にわたる改良が昨年の全共出品につながった。4年後は北海道で行われる。互いに畜産を盛り上げて出品に向けて取り組んでいきたい」とたたえた。
伝達式後、インタビューに答えた宮国さんは「牛のおかげで鹿児島(全国和牛能力共進会の会場)旅行もできた。会場は広くて見学者が多かった。そこでまさか賞をもらえるとは思わなかった。今でも夢みたいだ」と語った。
宮国さんは1992年から牛を飼育して今年で31年。現在は妻と一緒に母牛19頭、子牛9頭を飼育しているという。狂牛病発症時には廃業寸前のところから、持ち前の「アララガマ精神」で建て直した。
手塩に掛けて育てた子牛が競りに掛けられるのが一番の楽しみという宮国さん。新型コロナウイルスやウクライナ情勢など、畜産業を取り巻く環境は厳しいが、「以前の高値に戻れば飼育する人も多くなるのでは」と期待した。
伝達式には下地誠JAおきなわ宮古地区本部長、下地隆弘JAおきなわ宮古地区畜産振興センター長が同席した。