海の恵みの大切さ実感/山鹿市立中学校と西辺中生徒
アーサ収穫体験で交流
熊本県の山鹿市立中学校の生徒20人が26日、平良大浦湾で養殖されている海藻の「ヒトエグサ」(宮古方言・アーサ)の収穫を体験した。西辺中2年生11人も参加。互いに交流を深めながら、漁業を取り巻く環境や海の恵みの大切さを実感した。
山鹿市からの交流団は生徒、引率の教諭、教育委員会のメンバーら計27人。2泊3日の日程で、地下ダム資料館や市博物館などを巡るほか三線演奏も鑑賞する。
参加した中田愛莉さん(菊鹿中2年)は「アーサはみそ汁にして食べたことはあるけれど、収穫するのは初めて。海で直接収穫するものとは思わなかった」と話した。
石阪小葉さん(同)は、熊本は24日は氷点下で雪が降っていたと言い「宮古は暖かい。帰ったら『海がきれいで緑がいっぱいだった』と紹介したい」と語った。
アーサの収穫を手ほどきした西辺中生徒会副会長の花城葵さんは「みそ汁とゆし豆腐に入れて食べるとおいしい」と笑顔だった。
収穫したアーサは、アツアツのゆし豆腐に入れてその場で試食した。
アーサの収穫を控えている西原の生産組合が養殖場を提供するなど協力した。
参加した生徒たちは山鹿市立4中学校の代表。宮古で体験したことや印象に残ったことなどを地元に持ち帰って報告する予定。
交流団の堀田浩一郎教育長は「ゆくゆくは、山鹿市立の五つの中学校の修学旅行につなげていきたい」と目的を話した。
収穫体験に先立ち、西辺中体育館で対面式と交流会が行われ、方言クイズなどで盛り上がった。
生活環境が異なる地域の中学生が交流を通して、自然や文化の違いを共有し互いの友情を深めることが狙い。今回参加しなかった山鹿市立鹿北中学校は、すでに修学旅行で宮古を訪れていて、伊良部島小・中学校と交流を深めた。
市と山鹿市との交流をめぐっては、市議会与党の一部会派が昨年、同市の行政視察を実施しており、職員や子供たちの交流を推進するよう座喜味一幸市長に提案していた。