「グソー」の正月に先祖供養/旧十六日祭
手合わせ家族の健康祈願/多数の親族が墓前に集う
旧暦の1月16日に当たる6日、先祖を供養する伝統行事「旧十六日祭(ジュウルクニツ)」が市内各地の墓地で行われた。ごちそうや泡盛などを墓前に供え、手を合わせて家族の近況を報告するとともに、向こう一年間の健康などを祈願した。3年ぶりに新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限がなくなり、今年は親族が多数集まる姿があった一方で、あいにくの雨天で早めに切り上げる家族も見られた。
「旧十六日祭」は亡くなった先祖が暮らす後生(グソー)の正月とされる旧暦1月16日に、宮古や八重山地方を中心に行われている。一族の墓に親族が集まり、後生の金とされる紙銭(カビジン)を燃やし、線香をたき、重箱料理などを供えて先祖を供養する。
市平良荷川取の墓地では、清掃し清められた墓前に料理の入った重箱や果物などを供え、手を合わせて日ごろの見守りに感謝を込めていた。
子ども7人、孫16人、ひ孫26人、やしゃご20数人がいる奥平シゲ子さん(93)は「仕事の都合などで、みんなが同じ時間に集まることは難しいが、子や孫たちと墓参りできた。先祖から受け継いだ手順を守ってお祈りした。夜は家にみんな集まるので楽しく過ごしたい」と話した。
2年前に神奈川県横浜市から移住してきた平良光徳さん(71)は、約40年前に平良家と母親の宮国家の合同の墓が宮古島にあることを知り、いつか訪れたいと思っていたという。「墓を探していて、3カ月前に平良下里の墓地で見つけることができた。旧十六日に先祖の供養ができてよかった」と感慨深けだった。