航空機事故想定し訓練/消火、医療救護活動を展開
万一に備え連携確認/宮古空港で20機関参加
「航空機事故で負傷者が出た」を想定した宮古空港航空機事故・消火救難総合訓練(主催・宮古空港緊急計画連絡協議会・宮古空港管理事務所)が24日、宮古空港旧エプロンで行われた。市や県、消防、病院、自衛隊、警察など20の関係機関から約130人が参加。消火、救助、救護、負傷者識別、医療、搬送などの各班が被害軽減へ連携して取り組んだ。対策本部長の座喜味一幸市長は講評で「スムーズな連携で見事なものだった」と評価した。総合的な訓練は3年ぶり。
訓練は30人が乗った航空機が滑走路を外れ動けなくなり炎上、乗員乗客20人が死傷したとの想定で実施した。
午前10時、座喜味本部長が訓練開始を告げると発煙筒がたかれ、事故発生を知らせるサイレンが鳴り響き、化学消防車両が現場に急行した。
ポンプ車なども加わった消火活動が行われる中、市消防本部の「救助班」が航空機に見立てた大型バスから次々と乗客を救出。陸上自衛隊の「搬送班」がテントが張られた応急救護所(トリアージエリア)へ担架で運んだ。
救護所では宮古病院の医師らが、傷病者の治療優先順位を決定する際に用いるトリアージタッグ(識別票)を確認。負傷者に声を掛けながら応急処置を行い、重傷者は直ちに救急隊に引き継いだ。
現場には座喜味市長を本部長とする現地対策本部が設置され、各機関の長らが一連の訓練を見守った。
訓練は約35分で終了。座喜味市長は各関係機関の協力に感謝した上で「航空機事故はあってはならないことだが、関係機関と連携し、万が一に備えるということは大変大事。日頃からしっかりと備えていきたい」と訓練の意義を強調した。