路線バス「友利線」、予約乗り合いの実証実施/利用者減少への対応で
市、委託費1000万円を計上/市議会予算委
市は新年度、生活バス路線に認定されている路線のうち利用率が低い「友利線」で、利用者が電話で予約を申し込んだ時間に合わせて運行する「デマンド型」乗り合いバスの実証実験を行う。6日に開かれた市議会予算決算委員会で企画政策部の垣花和彦部長らが説明したもので、そのための委託費1015万円が市議会3月定例会に提案されている2023年度一般会計当初予算案に計上されている。
友利線は現在、1日に5便運行しているが、初便と最終便を除く3便の利用率が低いことから、実証実験では初便と最終便は通常通り運行し、残る3便を運休とし、その間にデマンド型運行を行うもの。実証期間は6月から2月までの9カ月間。運行は月曜日から土曜日の午前9時から午後5時までとなる。
利用者は事前に会員登録を行い、バスを利用する30分前までに運行会社に電話予約をすると、その時間に合わせ乗り合いバスが運行する。運行最低人数の設定はなく、1人からでも運行するという。
委員会では同事業について、我如古三雄氏と上地廣敏氏が質問。それに対し垣花部長と企画調整課の石川博幸課長が事業概要などを説明した。
垣花部長は実証事業実施の背景について「現在、生活路線バスへの補助事業を実施しているが、抜本的に見直す時期に来ていると考えている」と答弁。石川課長は「友利線は年々利用者が減少していて、県の補助要件を満たさない状況にある。そこで新たな公共交通実証事業を実施することで利用者の増加を図りたい」との考えを示した。
上地氏が友利線廃止の可能性をただしたのに対しては石川課長が「生活バス路線は地域の足なので存続させたいが、この実証を通じて利用ニーズがないとなれば、廃止等も検討しなければならないかと考えている」と答えた。