多良間産黒糖を輸出/宮古製糖
香港へ年間100㌧見込む
多良間島産の黒糖5・4㌧が香港に輸出されていたことが13日、分かった。多良間島で黒糖を生産する宮古製糖の安村勇社長が同日、明らかにした。県産黒糖のまとまった量の輸出は初めて。同社では、年間100㌧の輸出を見込んでいる。安村社長は「黒糖の新しい展望が開けた。安定供給にしっかり努めたい」と述べた。
多良間産黒糖の輸出は一昨年、香港で開催された「沖縄フェア」における同黒糖の紹介がきっかけとなった。
取引先は香港の砂糖取扱会社「太古シュガー」。3月9日に粉黒糖3・9㌧(130袋)、今月8日にカチ割黒糖1・5㌧(50ケース)をそれぞれ輸出した。同社からは一月間に9㌧輸入したいとの要望があるという。同黒糖は、県黒砂糖工業会と県物産公社を通して輸出している。
香港では添加物を含まない安全・安心な「純黒糖」として扱われているという。
宮古製糖多良間工場が昨年まで抱えていた在庫はほぼ処理され、今年の場合は生産が不足気味。同社では「希望通り供給できるかが今後の課題。今のところ未知数」と懸念する向きもある。
一方、安村社長は「国内供給を減らしてでも輸出分を確保したい」と決意を示した。
昨年まで県内にあった3000㌧の黒糖在庫は県の計らいで、E3や牛の飼料の原料に使い現在、ほとんど残っていない。しかしこれは急場しのぎの対策で、今後とも国内だけでなく外国への販路拡大が求められていた。
物産公社では「多良間産黒糖を切り口に、原料用としての輸出を広げていきたい」と話している。