副市長人事案を否決/中立派は退席、賛成少数
市長「再度上程したい」/市議会3月定例会
市議会(上地廣敏議長)3月定例会は23日、最終本会議が開かれ、追加提案された副市長を県知事公室長の嘉数登氏とする人事案を賛成10、反対11の賛成少数で否決した。中立会派の市民創会の2人は退席。本会議後、座喜味一幸市長は「否決されて残念。嘉数氏は評価されているので手続きを丁寧にして再度上程したい」と述べた。4月からは副市長は不在となる。
質疑は野党を中心に12人が行い、「事実上の解任だ」「進め方がおかしい」などと追及した。座喜味市長は「丁寧さが足りなかった」と非を認め、「公約実現のためにシフトを変えたい」と理解を求めた。
討論では反対の立場で粟国恒広氏と下地信広氏が、賛成の立場で山下誠氏と長崎富夫氏がそれぞれ意見を述べた。
粟国氏は「副市長人事案には丁寧な説明が必要だった。任期途中であり、大事な時期に副市長を代えることは市民にも理解されていない。市長の答弁も納得できない」と反対した。
下地氏は「副市長が納得して退職届を出したとは思えない。辞表を出す順番が違う。市長の傲慢(ごうまん)さが生んだ人事案だ。伊川秀樹副市長の胸中を思うと到底賛成できない」と語った。
山下氏は「この同意案は嘉数さんを副市長に招き入れるか決めるもの。市長のやり方がおかしいから否決するものではない。行政の空白を作らないためにも賛成すべきだ」と強調した。
長崎氏は「説明の場が持てなかったことについて市長は反省している。嘉数氏は県のさまざまな要職を経験している。行政手腕は高く、宮古島市のために必要な人材である」と述べた。
採決を前に、市民創会の狩俣勝成氏は「政策参与の予算措置と同じようなやり方で、会派として納得いかない。抗議の意味も込めて退席する」と語り、砂川和也氏と共に採決には加わらなかった。
4月からは副市長不在となることに対して座喜味市長は「できるだけ行政の停滞がないような形で、しっかりと対応したい」と述べるにとどめた。