ホテル着工再び延期へ/トゥリバー地区
SCG15が市に打診
平良港コースタルリゾートトゥリバー地区で予定されているホテル建設工事について、土地購入社であるSCG15特定目的会社(本社東京)が宮古島市に対し昨年12月に、着工期限(今年9月)の延期を打診していたことが分かった。同社からの延期要請は2度目。下地敏彦市長は13日、国内外の経済情勢を勘案すれば期限の再延期はやむを得ないとの考えを示した。
トゥリバー地区のホテル用地は約13㌶で、2007年8月に市がSCG15に40億円で売却する契約を締結。契約では2年以内に建設工事に着手することとなっていたが、08年に同社が世界的な経済情勢の悪化などを理由に着工期限の2年間延期を要請、市もこれを容認していた。
再延期についての打診は昨年12月、同社から市へ電話で行われた。具体的な延期期間などは示されていない。
マスコミの取材に対し下地市長は「現時点では正式な申し入れではない」と前置きしながらも、「リーマンショック以降、景気は低迷していて、日本では大震災も発生した。今、新しいホテルに着手するのは現実的に難しいだろうとの認識は持っている。正式な申し出があれば応じざるを得ないと思う」と述べた。
契約通りの着工ができなくなることに対する違約金については「正常な経済状態の中で着工しないというのであれば求めていくが、今回はそうではない」と述べ、現時点では請求しない考えを示した。
同社の当初計画では、180億円を投じ地下1階、地上8階建てのホテル建設に着工する予定だった。担当する港湾課の下地康教課長は「厳しい経済情勢の中、さまざまな計画変更を余儀なくされてはいるが、ホテル建設そのものは予定通り進める方針と聞いている」と話した。