港の役割8項目掲げる/平良港長期構想
物流・防災・エネ供給拠点など
市はこのほど、平良港長期構想を策定し公表した。おおむね20年から30年先の長期的視野に立った総合的な港湾空間の在り方を構想、ビジョンとしてまとめたもので、平良港の役割として▽物流拠点▽クルーズ寄港地としての交流拠点▽防災拠点▽エネルギー供給拠点-など8項目を掲げている。
長期構想の基本理念は、地域ニーズを適切に捉えた機能の再編・強化と空間利用の再構築を図り、地域の自立と活力の維持に貢献していくとともに、市街地のウオーターフロントとして水辺・港の雰囲気を生かした憩いの場を提供することと定義されている。
平良港の役割としては、①宮古圏域の生活・産業を支える物流拠点②港湾の再編・都市機能の確保③東アジアにおけるクルーズ寄港地としての交流拠点④亜熱帯海洋性リゾート拠点ならびに親水空間としての交流拠点⑤災害時に地域住民の生活や経済活動を支える防災拠点⑥宮古圏域のエネルギー供給拠点⑦カーボンニュートラルポート(CNP)の形成⑧国境離島の領土・領海保全および救難防災体制強化への支援-の8項目としている。
また各役割ごとに主要施策を設定。物流拠点としての主要施策は、圏域の生活や産業を支える物流機能の拡充。港湾再編・都市機能確保としては港湾再編・都市機能確保による機能分担。クルーズ寄港地としての交流拠点としては大型クルーズ船に対応する機能の拡充。亜熱帯海洋性リゾート拠点としては観光レクリエーション機能や親水空間機能の拡充などを掲げる。
防災拠点としては圏域の防災、災害に対処する機能の拡充。エネルギー供給拠点としては新たなエネルギー燃料の受け入れ・出荷機能の導入などのエネルギー需要への対応。CNPの形成としては港湾での新エネルギー、再生エネルギー関連施設等の導入促進などによるCNP形成に向けての支援。領土・領海保全、救難防災体制強化への支援としては領海警備や救難防災体制強化への支援などを挙げている。
具体的な整備計画としては、漲水地区の130メートル岸壁に接する護岸90メートルの220メートル岸壁化、新たな液化天然ガス(LNG)受け入れ施設整備、クルーズ船の大型化・多寄港に対応する客船埠頭(ふとう)の整備などを予定している。
そのほか、平良港の空間利用計画として、港湾エリアを「物流関連ゾーン」や「クルーズ関連ゾーン」「防災機能強化ゾーン」「新エネルギー関連ゾーン」などとゾーン分けを行い、各ゾーンごとに利用の方向性や考え方を示している。