陸自ヘリ「早く見つかってほしい」/地域住民
重大事故に驚きと心配の声/行方不明から一夜明け
陸上自衛隊のヘリコプターが伊良部島近海で行方不明になった事故の発生から一夜明けた7日、市内では地域住民の間に「こんな大事が島の近くで起こるなんて」「乗っている人たちが無事でいてほしい。早く見つかってほしい」などと事故の発生を驚く声や、乗員の安否を心配する声などが広がっている。
米国出身で元海軍というスティーヴ・クリスティーさん(60代)=千葉県=は観光で6日に初来島。池間島に移動しカフェでくつろいでいた午後3時53分ごろ、北に向けて飛ぶヘリを見つけ撮影した。
「音でブラックホーク(UH60)だと分かった。飛行機が好きなので撮った。問題なく飛んでいるように見えたし、音も普通だった。今朝の新聞を見て驚いた。同じヘリだと思った」と説明。「乗っていた人たちが無事に見つかってほしい」と語った。
平良下里の矢寺賢次さん(46)はサーフィンをしようと波の状況を見に行った伊良部の白鳥岬で、海から煙が上がっているのを確認。「急に水しぶきが上がったので大きなクジラかと思い、写真を撮ろうとしたら黒い煙が上がった」と振り返った。
伊良部前里添で鮮魚店を営む与座和保さん(42)は、魚の水揚げ中に航空機や海上保安部の船が北に向かうのを見た。「水難事故かと思ったが、仕事をしているうちに『ヘリが落ちたようだ』という話を聞いた」という。「こんな大事が起こるとは。島の人に被害が無いようで安心だ。乗っていた人たちが無事でいてほしい」と話した。
事故を受けて、市防災危機管理課では「関係機関と連携し、情報収集や市の対応について相談している。陸上自衛隊とは6日夜から連絡を取っている。実際に捜索する場合に対応する市消防本部と連絡体制を確認した。要請があれば動けるよう準備を整えている」とした。
宮古島、池間、伊良部の3漁協によると、協力要請が無いため参加する船舶はおらず、漁業者への被害も確認されていない。また、油が流出しているとの情報について伊良部漁協の伊良波宏紀組合長は、「これから調査するが、モズクやアーサの収穫に影響がある可能性もある」と述べた。