地形複雑で捜索難航/陸自ヘリ不明事故
市長に捜索状況説明/第15旅団副旅団長
宮古警備隊1人も搭乗
宮古島周辺を飛行していた陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が行方不明になった事故で、陸上自衛隊第15旅団の杉村繁実副旅団長らが10日、市役所に座喜味一幸市長を訪ね、ヘリの捜索状況を報告した。面談は非公開で行われ、終了後、記者団の取材に応じた座喜味市長は捜索が難航していることについて「海底の地形が複雑で、(潮の)干満の影響が大きいとの説明があった」と語った。
面談は午前9時から市長室で約10分間行われた。杉村副旅団長らは面談後、記者団の質問には答えず、足早に市役所を後にした。面談には宮古駐屯地の隊員らが同席した。
座喜味市長は陸自から詳細についてはほとんど報告はなかったとした上で「捜索が思いの外進んでいないこと、山場である(災害発生時の人命救助は、生存率が急激に低下すると言われている)72時間を超えてまだ、進展していないこと、海底の地形が複雑で、それに干満の影響が大きい大潮に当たったりすると潮流が大きく動くということで、捜索範囲を広げて捜索している」との現状報告を受けたと語った。
説明を受け、座喜味市長は陸自側へ市として災害対策本部の前段としての体制を取っているとし、捜索には全面的に協力していく考えを示したという。陸自へは「山場が過ぎたとはいえ、速やかな安否の確認とそういう事故が再発しないよう、事故の原因究明などもお願いした」と話した。
改めて事故発生の受け止めについて聞かれた座喜味市長は「事故発生は大変残念。人命救助なので全力を挙げてやってほしい」と話した。
防衛省によると不明機には熊本県に拠点を置く第8師団の坂本雄一陸将ら5人のほか、ヘリを運用している第8飛行隊の4人、宮古島駐屯地にある宮古警備隊の1人が搭乗しているという。