島外「と畜」 牛の移送始まる
初回は8頭、13日実施/19日に地元説明会開催へ
宮古食肉センターで行われてきた牛など大型家畜の「と畜」が昨年度末から実施できない状況になり、今年度からは沖縄本島に牛を移送して実施する計画となったことを受け、1回目の本島移送が11日に行われた。本島でのと畜は13日に予定している。今後、毎週火曜に移送、木曜にと畜して、再び島に戻す計画となっている。
同センターによると今回移送されたのは、JAが肥育している宮古牛5頭と一般農家の経産牛3頭の合計8頭。
2回目以降の移送頭数など、今後のスケジュールについて同センターは「まだ決まっていない」としている。
島内でと畜ができなくなった背景には、これまで同センターで牛や馬の大型家畜のと畜を行ってきた担当者との間で、今年度からの契約が結ばれず、3月末から大型家畜のと畜が島内でできない状況に陥っている。
この問題については、本島に移送してと畜する際の費用負担をどうするのか、同センターで大型家畜をと畜する技術を持った職員が1人しかおらず後継者育成が進んでいなかったことも課題として浮かび上がっている。
今後について、JAおきなわ関連法人部の宮里忍部長は「農家などを対象にした地元説明会を19日に予定している。これまでの経緯や今後のスケジュールについての説明になる。費用負担についてはまだ決まっていないので、調整した上での説明になると思う」と話した。
同センターによると、説明会は19日の牛競りの後に予定しているという。
2021年度における同センターのと畜実績は、一般肥育牛が173頭、経産肥育牛が42頭となっている。
株式会社の同センターは、宮古牛のブランド化確立と輸送コストの低減など、畜産振興に寄与する目的で1982年に設立。2016年に現在の場所(上野野原)に整備・移転。衛生的で効率的な食肉処理施設として、消費者に安全で安心な食肉供給を行っている。