機体か、海底で発見/陸自ヘリ不明事故
複数の人影、確認急ぐ/飽和潜水士が捜索開始/池間島イラビジ沖合
宮古島周辺を飛行していた陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が行方不明になった事故で13日夜、海中にヘリの機体のようなものが沈んでいるのが発見された。発見を受け、海上自衛隊は14日午後、深い海でも作業可能な「飽和潜水士」による捜索を始めた。海底で見つかった機体の主要部分とみられるものの中では、複数の人影のようなものが見つかっており、安否不明の隊員の可能性もあるとみて自衛隊では確認を急いでいる。
13日夜、捜索に当たっていた海自の掃海艦「えたじま」が海中で機体のようなものを発見。海中を見られるカメラを投入して調べたところ、ヘリのような物体を見つけた。場所は池間島イラビジの沖合(南東方面)の目視できる場所で、14日には早朝から多くのマスコミや地域住民らが捜索活動の様子を見ていた。
様子を見ていた70代の男性は「厳しい状況だと思うが家族の元に帰れるよう救助活動を頑張ってほしい」と話した。
ヘリは6日夕、宮古島と橋でつながる伊良部島の北方約3キロの洋上でレーダーから消失。防衛省関係者などによると、13日夜、さらに数キロ北の海底に機体のような物が沈んでいるのを発見した。カメラを積んだ水中無人機などで調べたところ、損傷しているが形はとどめており、座席や人影のようなものが複数確認できたという。
現場の水深は100メートル超で暗く、無人機では詳細が分からないため、自衛隊は高い水圧に適応させた飽和潜水士の投入を決めた。周辺の潮流などを調べ、安全に活動できることを確認した上で、潜水士が海中に入って作業を開始した。
一方、伊良部島周辺でも海自の掃海艇や陸上自衛隊の隊員らが引き続き捜索活動を展開している。