隊員5人の死亡確認/引き続き「飽和潜水」
他乗員の捜索に全力/陸自ヘリ消息不明
陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が行方不明になった事故で18日、陸自は前日に救助した2人の死亡を確認したと発表。さらに残されていた1人を収容し、合わせて5人の死亡を確認したと発表した。上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地では18日午後、複数の遺体を乗せたとみられる陸自ヘリが飛び立つ様子が確認された。ほかの乗員の捜索活動を引き続き自衛隊や宮古島海上保安部が行っている。
水深の深い地点に潜る「飽和潜水」による捜索で、16日に機体の一部と要救助者5人の姿を確認。同日に2人、17日に2人を収容した。16日の遺体については宮古島海上保安部の巡視船が平良港まで移送し陸自に引き渡した。
17日に収容した遺体は、18日午前にヘリで宮古島分屯基地へ運ばれた。その後、遺体を乗せたと見られるヘリが沖縄本島へ向けて離陸。移送後は検視や司法解剖などが行われるとみられる。
行方不明となった陸自のヘリは6日夕、宮古島と橋でつながる伊良部島の北方約3キロの洋上でレーダーから消失した。海底の地形が複雑なため、捜索は難航したが、13日夜に池間島のイラビジの沖合(南東方面)水深約106メートルの海底で機体のようなものを発見し、確認を急いでいた。
不明機には第8師団の坂本雄一陸将ら5人のほか、ヘリを運用している第8飛行隊の4人、宮古島駐屯地にある宮古警備隊所属の1人の計10人が搭乗していた。
捜索活動は防衛省から空自と海自の航空機5機、海自の艦艇5隻、陸上自衛隊は360人体制、海上保安庁からは巡視船2隻や大型測量船1隻が出動し周辺海域の捜索活動を行った。