早急な整備望ましい/平良港
井上名誉教授(神戸大学)が視察
平良港漲水地区再編事業の計画採択へ向け、平良港の現状を確認するための視察が14日、平良港第2ふ頭で実施された。操船の専門家である神戸大学名誉教授で工学博士の井上欣三氏が貨物船の入港方法などを確認。井上氏は「ぎりぎりの操船で、早急な整備が望ましい」との考えを示した。
現在の平良港は大型船舶に対応しておらず、強い北風が吹くと入港が困難になる構造となっていることから、再編事業計画では第2と第3ふ頭の間を埋め立て、船が陸と平行に、北向きに入港できる大型ふ頭の整備を目指している。
今回の視察は、平良港の問題点について専門家の目で客観的に判断してもらうことが目的で、琉球海運の「みやらびⅡ」(全長168㍍、1万184㌧)が第2ふ頭に接岸する様子を確認した。平良港に入港し、湾内で180度回転し、船尾から接岸するまでを見た井上氏は「後ろ向きの接岸で、風にも対応するのは非常に難しく、北風の強くなる冬場の接岸は冷や汗ものになると思う。ぎりぎりの操船になるので、そういう意味ではいつ事故が起きてもおかしくない。計画通りの整備を早急に行うことが望ましい」との感想の語った。
その後、井上氏は操船室に入り、同船の與那嶺紀幸船長から平良港へ入港する際に留意していることや、改善を望む部分などの聞き取りを行った。
市では今後、井上氏の意見などを踏まえ、国へ同事業の採択を引き続き要求していく考え。