被災地避難者896人に/東日本大震災
菊出荷損害11億円/県支援対策本部
【那覇支社】県は14日、東日本大震災県支援対策本部の第4回会議を開いた。現在までの被災者受け入れ状況が報告され、各部局長が受け入れについての取り組みや震災発生による県内への影響などを報告した。新年度の初会合となる同日の会議は与世田兼稔副知事、新部局長らの新たな顔ぶれをそろえ、県が表明した被災者県内受け入れについての課題や被災現地での県支援のあり方などを協議した。
14日午前の段階で県が把握している被災地からの避難者は896人。うち、自主的避難者で県支援の対象者となったのは17世帯37人。15日にも5世帯が福島県から被災者が沖縄に避難するという。
部局長報告によれば、震災発生による県内への影響は農水関連で菊出荷が約11億円の損害を出したほか、モズク出荷に約3450万円の被害が出た。また、福島原発事故発生によって、中国政府が県産果樹についても放射能検査を義務付けるなどの事態が発生している。
観光関連は今後、かつてないほどの大幅な入域客減が懸念される一方、西日本からの団体客増が見込まれる。
また、教育関連では県内の小学校に54人の児童が被災地から転校してきたが、メンタル面でのケアを必要とするとの報告があった。
物流などの停滞や自粛によって、県内小売業で全体的に「品薄」の状態が現れるなどの状況が発生している。
仲井真弘多知事は今後、どれくらいの規模で被災者が来るのかを想定し対応できるよう各部局長に指示した。又吉進知事公室長は「来週中にも被災現場動向が見えてくるので、具体的支援策も明確に打ち出せるのではないか」と話した。また、県は被災地からの避難者への一時支援金支給についても検討に入ったという。