市22年度がん検診 微増も受診率伸び悩む
コロナ禍前に届かず/市、積極的受診呼び掛け
市の2022年度における各種がん検診の受診率が長引く新型コロナウイルス感染症の影響で、依然として低迷している。検診3種(胃がん、肺がん、大腸がん)は対前年度比で微増となったが、コロナ禍以前の数値には至っていない。一方で、婦人検診の子宮がん、乳がんについては前年度比で大きく伸びてコロナ禍以前の数値に近づいている。
伸び悩む3種のがん検診受診率について、市健康増進課では「少しずつ上昇してきているが、まだまだコロナ禍以前の数値には届いていない。今年度はすでに個別医療機関での検診もスタートしているので、健康維持の観点からも積極的に受診してほしい」と呼び掛けた。
市は今年度、通常7月から実施してきた個別医療機関でのがん検診と婦人がん検診を前倒しで4月から実施している。来年の2月29日まで。
40歳以上(対象人数1万8803人)の肺がん検診受診率は、コロナ禍前の2018年度が13%台だったが、21年度は9%で22年度は若干増えて10・3%だが、まだ低いままだ。
8~9%台で推移してきた大腸がんの受診率は、21年度が7・5%に対して22年度もほぼ同値の7・8%。
胃がんも、18年度の4・4%に対して21年度は3・2%、22年度も3・3%とほとんど伸びていない。
3検診とも、対前年度比で若干伸びてはいるものの、同課では長引いたコロナ禍の影響がまだ残っているとしている。
40歳以下(対象人数4585人)も肺、胃、大腸がんともほぼ前年同月比と同値で、コロナ禍前に比べたら低い数値のままとなっている。
一方で、婦人検診については、対前年度比で大きく伸びている。子宮がん検診は、21年度の24・7%に対して22年度は10ポイント近く伸びて34・6%となった。
乳がんのマンモグラフィーは前年度の18・7%に対して22年度は24・5%。超音波も前年度の19・4%に対して22年度は24・9%と上昇している。
新型コロナの感染状況も比較的落ち着いてきていることから、健康維持のために検診を受診する習慣を取り戻して、積極的に集団、個別検診を受けることを求めている。