犬の殺処分4年連続ゼロ/違法犬捕獲数も減少
保健所 「放し飼い」に警鐘/宮古管内22年度
犬の殺処分数が4年連続でゼロとなったことが県宮古保健所管内の2022年度犬の収容状況(速報値)で分かった。違法犬捕獲数は前年度の125匹から9匹減って116匹となった。ピーク時に比べ大きく減少している一方で、同所では「相変わらず、放し飼いをする飼い主はまだまだ多い。現状からさらに改善するためには飼い主のモラル向上が必要」と指摘する。
速報値によると、捕獲数は18年度の296匹が19年度は226匹。20年度は200匹を下回って150匹となり、21年度は125匹となって22年度は116匹となった。
22年度の殺処分数は0匹だが、収容された段階での衰弱などによる犬舎内死亡が5匹あった。
殺処分については4年連続で「ゼロ」を維持しているが、同保健所によると捕獲数については下げ止まり感があるとしている。
「管内の状況は、ひどかった数年前に比べて年々落ち着いてきているが、恐らく今の数値で下げ止まっている感じがする。さらに改善するためには野犬と飼い犬による繁殖を防ぐ必要がある。宮古管内においては飼い主がモラルを持って放し飼いをなくしていくことが重要な課題」と指摘した。
「捨てる命」を生まないために、放し飼いを絶対にしないこと、さらに避妊、去勢手術を行い繁殖制限をしっかり行うことも呼び掛けられた。
同所管内における犬の捕獲・保護数は以前、年間100~200匹台で推移してきたが、14年度と15年度は300匹台に増加した。
それに伴い、14年度からは年間の殺処分数も300匹を超え15年度は325匹となり、東京都の1年間の処分数を上回っていた。
こうした状況を打開しようと、民間ボランティアが立ち上がり、収容された犬を島内外に譲渡する活動が16年度ごろから本格化。
同所と連携した取り組みで16年度の殺処分数は、前年度の325匹から大幅に減少し141匹となった。
さらに、活動が充実してきた17年度の処分数は減り続け、19年度は初のゼロを達成し、4年連続で継続している。