女性クレーン運転士誕生/広栄開発
久貝さん 仕事と子育て両立
広栄開発(仲村智幸社長)の社員、久貝梨紗さん(41)がこのほど、国家資格の移動式クレーン運転士試験に合格した。宮古島で女性のクレーン運転手が誕生するのは珍しく、同社の平良直樹営業部長は「何事にも積極的に取り組む人。女性がこの業界で活躍することで、業界全体の活性化につながると思う」と喜んだ。
久貝さんは4人の子どものシングルマザー。仕事と子育てを両立しながら資格取得に取り組んだ。「私と同じような女性に、少しでも勇気を与えられればうれしい」と話した。
「子育てするのに実入りのいい職種を考え、男性が主な建設業界を選んだ」という久貝さん。職場ではダンプカーを運転しているが、クレーンの運転にも魅力を感じ、「自分もやってみたいと思った」
それからは仕事や家事を終えた後、資格取得に向け猛勉強の日々。子どもたちが眠った後、眠気と戦いながら「過去問」などに取り組んだ。ちょっとした時間でも参考書を開いた。「人生でこれだけ勉強したことはない」と笑う。
試験は学科と実技。昨年9月に行われた学科の合格通知はインターネットで確認し「うわー」と大きな声を挙げたという。
5月2日の実技試験は一発で合格。子どもたちと喜びを分かち合った。
現場での「クレーンデビュー」はまだだが、「ベテランの先輩たちの操作技術はすごい。少しでも近づけるよう日々練習を重ねていきたい。そして、『この仕事は久貝さんにお願いしたい』と言われるようになりたい」と目標を語った。