市収支 24年度以降は赤字試算/長期財政ビジョン改定版
赤字合計、7年で46億円/財調基金取り崩し対応へ
市財政課は、市長期財政ビジョン(2021年度~30年度)の23年度改定版をこのほど公表した。それによると、24年度~30年度は市の収支が赤字になる見通しで、赤字額は年々増加し、30年度には11億円の赤字となり、7年間の赤字合計額は約46億3000万円に達すると予想。赤字分は財政調整基金を取り崩しての繰り入れで対応する予定で、30年度の同基金残高は21年度比61%減の32億6919万円にまで減少する見込みであることが分かった。
市長期財政ビジョンは20年度に策定された。今回は、21年度の決算状況と22年度の最終補正後予算、23年度の当初予算を踏まえて見直しを実施した。
従来のビジョンでは、22年度~26年度の収支は赤字だが、27年度から30年度には黒字に転じるとしていた。しかし、昨今の物件費や扶助費の増加を考慮した結果、21年度決算では約22億3000万円の黒字となっていた収支が、市の貯金に当たる財政調整基金からの繰り入れを行わないとした場合、24年度以降は赤字になると見直した。
赤字額を年度別に見ると、24年度は約2億3000万円、25年度は2億6000万円、26年度は4億4000万円、27年度は7億円、28年度は8億3000万円と年々増加。そして29年度には10億円を超え10億7000万円、さらに30年度には11億円にまで達する見通しとなっている。
赤字分は財政調整基金で対応する予定で、各年度ごとの赤字分が毎年度、基金から取り崩されることとなる。その間、新たな積み増しがなければ、残高は21年度の84億8659万円が、23年度には79億154万円、26年度には69億7078万円、28年度には54億3881万円、29年度には43億7078万円、そして30年度には32億6919万円にまで減少することが見込まれている。
財政課では「財政調整基金の確保は、自治体の財政状況を示す健全化判断比率の指数や、不測の事態に対応するためにも一定の基金の確保は必要であることから、収支不足を解消する取り組みを進めながら安定した基金の確保に努めていきたい」との考えを示している