葉タバコ台風被害 農家への救済策要請/市議会与党・中立
収穫量半減の可能性/自然災害で2期連続打撃
台風2号の強風による塩害などで被害が出ている葉タバコについて市議会与党議員団(長崎富夫会長)と中立会派保守心和会(上地堅司会派長)は5日、市役所で座喜味一幸市長に栽培農家に対する救済策を要請した。座喜味市長は「生産農家の意欲をそぐことがないよう取り組みたい」と応じた。葉タバコは前期も天候不良で大幅減産を強いられており、2期連続の自然災害に農家は打撃を受けている。
市議らは4日、生産農家の立ち合いで島内各地の被害現場を調査した。葉タバコは収穫期で、これまでに全体の3、4割程度が収穫を終えている。残りが台風の強風にさらされた。擦れや塩害で葉の劣化が急速に進み、品質が著しく低下した。
要請では「葉タバコの被害は深刻さの度合いを強めている。第1次産業は地域経済をけん引する重要な基幹産業」と指摘し、行政支援を求めた。
具体的には▽農作物生産者に対し、適切かつ迅速に行政支援を講じる▽関係機関と連携し、葉タバコの被害実態を早急に把握する▽廃ビニール処理費用助成制度の継続および拡充を図る|ことを要請した。
今期、市の栽培面積は262・7㌶で、内訳は▽平良18㌶(生産農家数5戸)▽城辺78・6㌶(17戸)▽下地70・6㌶(19戸)▽上野77・3㌶(20戸)▽伊良部18・2㌶(5戸)│。多良間村は14・7㌶(7戸)。
前期は、年明けから天候不良が続く中、2月の日照不足で茎が伸びず、葉の枚数も例年の半分ほどしかなく、収量が大幅減となった。天候不良続きで畝間に雨水がたまることで、雨水から菌が葉にうつり、表面を白化させる疫病が発生した畑もあった。生産農家が減少したこともあるが、天候不良が影響し、例年20億円規模の生産量が6割減の約8億円にとどまった。