県議選まであと1年/宮古島市選挙区
現職軸も ちらつく「分裂」/市長選見据え展開模索
来年6月24日に任期満了を迎える県議会議員選挙まであと1年を切った。宮古島市選挙区(定数2)では、すでに現職の下地康教氏を自民党県連が、國仲昌二氏には立憲民主党県連がそれぞれ公認を発表。この2人を軸に今後は動いていく。一方で、座喜味一幸市政における与野党勢力とも、新たな候補者を推す声や求める声があり、双方とも「分裂」の二文字がちらつく中で、これから激しい動きが展開されそうだ。
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3年前の県議選では、保守が分裂。革新は候補者一本化を実現して挑み、保革で議席を分け合った。
その時の結果は、トップ当選の下地氏が9204票、國仲氏が7685票を獲得して当選。敗れたのは現市長の座喜味氏で、獲得票数は5166票だった
県議選後に行われた市長選で、國仲氏を推す勢力が「市政刷新」を合い言葉に座喜味氏を支持。保革相乗りの座喜味市政が誕生している。
その後、その時の市長選で敗れた下地敏彦前市長が逮捕されて島内の保守勢力は求心力を失い、それ以降は不安定な政治が展開されている。
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2期目に向けて下地康教氏は「行政経験を生かし地域のためにやってきたこれまでの政治を継続したいとの思いは強い。2期目も視野に入れて残りの任期も頑張りたい」と決意を示した。
國仲氏は「立憲民主党の県連から私に対して公認も発表されており、周囲が応援してもらえる環境が整えばもちろん次も挑戦したいとの思いは強い」と意欲を示している。
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國仲氏にとって前回の県議選は、革新内部の勢力争いもあり、当時の現職県議が出馬を辞退して國仲氏で一本化した経緯がある。
そうしたことから、対抗する勢力から新たな名前が出てくる可能性はある。
これまでにも現職市議の久貝美奈子氏らの名前が取り沙汰されているが、まだまだ具体的な動きは見えていない。
國仲氏にとっては、前回県議選後に行われた市長選で座喜味市政を誕生させた「ワンチームみゃーく」の内部をどうまとめるかが課題だ。
そのカギを握るのは、玉城デニー県知事と座喜味市長で、この2人の支持を得て、選挙戦に挑める状況を構築する必要がある。
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市議会で多数を占める野党保守勢力だが、現職の下地氏で一本化の動きにはまだなっていない。
県議選後の市長選で敗れ、さらに支えてきた前市長の逮捕という衝撃もあり、その間に行われた各種選挙で内部の溝は深まっていった。
現状も最大会派の「保守宮古未来会」(6人)と「自民」(4人)の間で生まれた溝は根深く、会派間の確執は今回県議選にも影響している。
その中で、新たな候補者として最も有力視されているのが市議の新里匠氏だ。一部で同氏を強く推す声もあり、展開次第では再び保守は分裂選挙へとかじを取る可能性もある。
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任期満了日まで1年を切り、「分裂」の二文字がちらつく中、候補者擁立を巡る動きはこれから本格化していく。
次期県議選の半年後には天王山の市長選が控えており、それぞれの勢力とも失敗は許されない。
これからの1年間は、市長選を見据えながら、その試金石となる県議選をどう戦い、展開していくのかが焦点となっている。(垣花 尚)