台風2号 葉タバコ被害4120万円/多良間村議会6月定例会
村が独自支援策検討へ/一般質問で安里氏へ答弁
【多良間】多良間村議会(福嶺常夫議長)の6月定例会が27日、開会した。初日は一般質問が行われ、4氏が登壇した。2年連続で不作の葉タバコ農家への支援など、村の取り組み状況について伊良皆光夫村長は「農家の声を聞きながら対応したい」と述べ、葉タバコの買取価格などを踏まえて必要があれば村独自での支援策も検討していく考えを示した。
葉タバコは5月下旬から6月にかけて接近した台風2号の影響を受けた。村内には7戸の農家が14・7ヘクタールを耕作している。今回の台風で収穫は3割にも満たず、被害額は速報値で4120万円となっている。
質問で安里三喜男氏は葉タバコの状況として「葉タバコ栽培には災害の有無にかかわらず、支払う経費が発生する。肥料代金、農薬代金、生産資材代金、借り入れによる投資金の返還、乾燥場の改装などや共同乾燥場の運営費、小作料、農機具などの修繕費、これらすべて固定費のようになっている」と説明した。
その上で「今年は台風による強風と塩害が発生した。一部を除いてほとんどが専業農家。肥料代も上がり、コストも掛かる中での今回の被害。農家は不安を感じている。村単独の助成やJAなど金融機関などへの支払いの一年据え置きなどを働き掛け肥料、農薬など支援できないか」と求めた。
亀川一成産業経済課長は「2年連続の不作で農家は支払いもあり、不安になっている。昨年度の災害を受けて、農業共済組合から今年度は収入保険へ村からも補助するよう求められ、今年度は村からも3割上限として(保険料を)計上している。また、今回はJTの広域災害にも認定されている。認定されたことで5~6割程度の支援がある。農業共済の収入保険と合わせて損害額の約8割が支払われる見込みだ。経費やこれまでの借り入れ、光熱費、燃料費などは葉タバコ組合と話し合い、どのような支援ができるか協議していきたい」と理解を求めた。
また、伊良皆村長も改めて「今年の葉タバコは良さそうだったため、大きく期待していたが結果は厳しいものとなっている。農業共済やJTからの保証もあるが、販売状況の結果がどのようになるかを見るとともに、農家の皆さんに行政として何ができるかを話し合いながら考えたい」と述べた。