密漁検挙数が過去最多/22年宮古海保管内
対前年比で2.3倍に/安易な採捕に注意訴え
宮古島海上保安部管内における2022年の非漁業者による密漁行為の検挙数が39人となり、対前年比の2.3倍で過去最高となったことが同保安部のまとめで分かった。同年は上半期だけで前年総数17人を上回る33人が検挙されていたことから、取り締まりを強化。こうした取り組みの結果、23年は6月末現在で検挙数5人となり、同部では「昨年の取り締まり強化が奏功している」と述べた。
同部管内における検挙数は17年が5人、18年が1人、19年が9人、20年が7人と1桁台だったが21年は一気に増えて17人。22年は対前年の2.3倍となる39人。そのうち33人が上半期だけの数値となった。
昨年については、密漁行為が増加傾向にあったことと、各漁協組合員からの密漁情報が同保安部に寄せられ、取り締まりを強化したことで検挙数が増えたという。
特に上半期は、4月に3人、5月に17人、6月に11人と3カ月だけで31人が検挙されている。
状況としては、非漁業者がそれぞれ島内各海岸(干潮時のリーフ)において、自分たちで食べる目的でサザエ148個、シャコガイ52個等を採捕して漁業権を侵害した。
今年は、3月に1人、5月に3人、6月に1人の合計5人。年齢は20~60代の非漁業者の男性。
5人は、宮古島および近海離島においてサザエ27個、シャコガイ1個、マガキガイ186個、タコ1匹を採捕。また、そのうち2人は禁止漁具の水中銃を使用して雑魚(合計11匹)を採捕している。
漁業権の対象種(シャコガイ、イセエビ、サザエ、タカセガイ、タコ、ウニ等)は原則、漁業権を得た各漁協の組合員以外は採捕できないことから、同保安部では「漁業権の対象種や各種制限についても定められた規則を守り、安易に採補しないようにしてほしい」と呼び掛けた。
そのほか、例年4月1日~7月31日まではイセエビ類の採捕禁止期間、さらに6月1日~8月31日までシャコガイ類の採捕禁止期間となっている。