キビへのかん水始まる/大型トラックで放水
農家、夏植え用苗確保に苦慮/市補助事業
少雨傾向が続く中、市の補助事業でのサトウキビへのかん水が10日、始まった。タンクを積んだ大型トラックがかんがい施設が整備されていない畑に出向き、放水している。初日にかん水した農家は今期の夏植え用種苗の畑にまいた。
宮古島地方は5月と6月の梅雨の時期に前線が九州付近まで北上するなど梅雨前線が停滞しにくい状況だったため降水量が少なかった。気象台によると、4月21日から7月5日の降水量は平良下里で平年値の42%、城辺で39%、伊良部で27%、多良間で62%だった。6日以降も雨は降っていない。
サトウキビは生育旺盛期を迎えるが、少雨で生育に影響が出始めている。かんがい施設が整備されていない畑ではより深刻な状況になっている。
市は7日に干ばつ対策会議を開き、サトウキビへのかん水に対する補助事業の実施を決めた。かん水量は1農家当たり20アール(10トントラック6台分)。費用はトラック1台当たり4200円で農家負担は2000円。2200円は市が負担する。かん水は各地区の製糖工場原料員に農家が申し込む。
10日にかん水した農家の男性(76)は「雨が降らないから大変。苗が確保できない」と話し、夏植え用苗として植えている畑にまいた。気象台によると、向こう1週間も降水確率は低く、まとまった雨の予報はない。