ニホンイタチ根絶目指す/県環境部
希少種保全でわな増設/下地・伊良部島で捕獲強化
県環境部自然保護課では、ミヤコカナヘビなど希少種を保全しようと、下地島、伊良部島を中心に希少種を捕食しているニホンイタチ対策として、箱形の捕獲わなを大量に増設し、根絶に向けた取り組みを強化しているニホンイタチは県対策外来種リストで重点対策種に指定され、防除が実施されている。
ニホンイタチは1960年後半、ネズミ駆除の目的で宮古諸島に導入されたが、ミヤコカナヘビなど希少な生物が捕食されていて、絶滅の危機に瀕している。
県では、こうした希少種を保全するためにイタチの捕獲強化を図り、21年度は設置したわなでイタチ202匹、農作物に影響を及ぼすクマネズミも同じわなで747匹捕獲した。
県の「ニホンイタチ防除計画」では、下地島などではわなによる全域での捕獲を実施して根絶を目指している。
特に下地島と伊良部島では、ここ数年、わなの数を増やして捕獲数を増やしている。
21年度末時点で、わなの数は下地島に457台、伊良部島に145台の合計602台を設置していたが、22年度にはさらに、下地島に150台、伊良部島に934台の合計1084台を増設した。
その結果として、22年度のイタチの捕獲数は下地島で85匹、伊良部島で343匹の合計428匹を捕獲した。
また、イタチ以外の捕獲数は1251個体あったが、最も多かったのが農作物への被害をもたらすクマネズミの1125匹だった。
県では、設置しているわなについて標識を付けて理解と協力を求めているほか、破損の発見や不快に感じた際には回収、撤去するとしており、「わな番号」とともに県や事業受託者まで連絡するよう求めている。
二ホンイタチについては、宮古諸島を含め導入した地域では、は虫類などが大きく減少し、生態系への影響が問題視されている。
宮古では、絶滅危惧種のミヤコカナヘビ、キシノウエトカゲ、ミヤコヒメヘビなどがニホンイタチのふんから検出されている。