工期遅れを市が謝罪/下地竹アラ地区ほ場整備事業
説明に農家怒りあらわ/原因や工程管理方法に疑問
工期の遅れが指摘されている下地の竹アラ地区ほ場整備事業について、市は26日、上地構造改善センターで受益者となる農家を対象に説明会を開催した。冒頭、市農村整備課の職員が謝罪した上で、2023年度の工事内容について解説。参加した農家は市に対し、工期の完了時期や工事開始時からの毎年度の予算について説明を求めたが、市が明確な回答を示さなかったことに怒りをあらわにし、再度の説明会開催を求めた。
同事業は下地小学校の南側にある土地約1000平方㍍の畑地整備事業で、1工区と2工区に分かれており、21年度から工事に着手した。工事は24年度に完了する計画だったが、25年度以降になる見込みで、市は工事が完了した畑地から順次、受益農家に引き渡す予定で作業を進めている。総事業費は5億4200万円。
説明会では市の担当者がこれまでの進捗(しんちょく)を説明し、23年度は農道を整備する工事を8月に発注し、10月ごろから着工、年度内には完了させたいと説明した。
市の説明を受け、農家は最初に着手した1工区が現状、草が生い茂り、着工から現在までほとんど手を付けていない区画もあると指摘し、1工区の完了時期について回答を求めたが、市は明確な回答を示さなかった。
また、2工区についても当初の予定より遅れている状況について説明を求めたところ、市は「(1工区の)湧き水、水はけが悪いということが分かった。その処理をしないと畑面処理までいけないということで、2工区で使う予定の予算をそちらに回した。そのため、道路の舗装ができていない」と話した。
同事業内での予算を回したことを踏まえて「各年度の予算はどうなっているのか」や「年度ごとの図面を示してほしい」との質問に市は「詳細な資料を持ってきていない」と回答。農家らは「何のための説明会か」と声を荒げる場面も見られた。
別の農家からは「地権者はいつ土地が戻ってくるかも分からない。めどもない。最初に工事を進めた所からなぜ順序よく進めていかないのか。順序よく進めていかずにあちらこちらと工事を進めるからそうなる。工事が延びると分担金も増え、固定資産税もかかってくる。どうすればいいのか」と憤った。
これに市は「施工方法については計画が甘かった」と認め、「2年も皆さんに耕作させられない状況なので、まずは畑を使用してもらい、その間に農道も整備したいと考えている」と話し理解を求めた。
その後も話し合いが進められたが、農家の理解は得られず、再度必要書類を整えて説明会を実施することを確認した。