重要土地等調査法 宮古でも区域指定施行
防衛施設が「特別注視」に/「注視」は東平安名崎、下地島など
政府は7月12日、防衛関係施設などの重要施設や国境離島などの機能を阻害する土地などの利用を防止するための「重要土地等調査法」に基づき、宮古島の自衛隊施設などを「注視区域」、「特別注視区域」に指定。15日には同区域指定が施行された。これにより、区域内の土地や建物で防衛関係施設などの機能を阻害していないか、内閣府が調査を行うほか、土地・建物の売買等には事前の届け出が必要となる。
これまで北海道や青森、東京、島根、長崎の5都道県の離島や自衛隊施設など計58カ所が指定されており、今回の指定は2回目。宮城や東京、長崎、鹿児島、沖縄など新たに1都8県161カ所が注視区域および特別注視区域に指定された。
同法は、防衛関係施設や原発といった重要施設、国境離島の機能を阻害する土地利用を防ぐのが目的で、重要施設の周囲約1㌔や国境離島を「注視区域」に指定し、土地の利用状況調査を可能とする。
司令部機能や警戒監視・情報機能を持つ防衛関係施設など、特に機能が重要な施設は告示で個別に「特別注視区域」に指定し、面積が200平方㍍以上の取引に事前届け出を義務付ける。
また、施設の機能を阻害する行為として「自衛隊等の航空機の離着陸やレーダーの運用の妨げとなる工作物の設置」や「施設に対する妨害電波の発射」などの行為には勧告や命令を出すことができる。
宮古島での特別注視区域は宮古島駐屯地、宮古島分屯基地、保良訓練場となっている。また、注視区域は東平安名崎、上野宮国、上野新里、伊良部島・下地島、宮古島海上保安部となっている。
自分の土地や建物が指定された区域内にあるかは内閣府のホームページに詳細な区域の図で確認できる。また、指定区域内の土地や建物の取り引きについて、内閣府は「特別注視区域内では土地や建物の売買に当たり、届け出が必要となる場合があるが、不動産の取引自体を規制するものではない」と明記。「機能阻害行為が確認された場合、その行為を辞めるよう勧告・命令するなどの措置を行う制度であり、一般的な生活や事業活動には影響はない。調査についても思想や信条に係る情報を含め、その土地や建物の利用に関連しない情報を調査することはない」と説明している。
台風被害の視察で宮古島を訪れていた西銘恒三郎衆院議員は「わが国はスパイ防止法もないので、ほかの国々と比べたらまだ弱いのではないか。自由な経済活動を妨げてはいけない。国の安全保障に影響を及ぼすことがないようにするためには必要な規制である」と述べた。