大規模災害想定し訓練/県、陸自共催 美ら島レスキュー2023
人命救助、土砂崩れ対応/関係機関から150人、連携確認
県と陸上自衛隊第15旅団共催による大規模地震および津波を想定した訓練「美ら島レスキュー2023」が5日、佐良浜漁港で実施された。陸上自衛隊の他、宮古島海上保安部、宮古島警察署、市消防本部など関係機関から約150人が参加し、連携強化と災害対処能力の向上を図った。
午前中の人命救助訓練は、地震発生で伊良部大橋が通行止めになったという設定で行なわれた。陸自がドローンで佐良浜漁港近くの海上で漂流している3人を発見し、消防に連絡した。
伊良部大橋が通行止めのため、平良トゥリバー地区から陸自のボート2隻、消防のボート1隻が救助に向かい、合同で漂流者を救助して伊良部地区の診療所に搬送する一連の流れを確認した。
午後からは雨の中、地滑りによる土砂崩れで車両の一部が埋没し、車内に閉じ込められた人(人形)を救助する地上での訓練が行なわれた。
市民から消防に通報があり現場に駆け付けたが、土砂が車両のドア横に堆積して開けられない状態だったため、陸自に災害派遣を要請した。
到着した陸自宮古島警備隊8人がスコップで堆積した土砂をかき出し、消防が油圧カッターでドアを切り離し車内に閉じ込められていた人を救助し救急車に運んだ。
宮古島駐屯地の比嘉隼人司令は「自然災害は、いついかなる時に起こるか分からない。そのため、普段からの準備が必要。災害が起きれば、自助・共助・公助の連携が重要だと認識している。引き続き、関係機関や地域住民との連携を密にし、災害に迅速に対応していきたい」とコメントを寄せた。
災害の訓練は6日にも佐良浜漁港で炊事支援、給水支援、入浴支援、装備品展示が行なわれる。炊事支援はカレーの炊き出しで、午前11時半ごろから市民に振る舞われる。