農業委人選で質疑集中/市議会9月定例会
「決定プロセス不透明」/低評価でも市長判断で選定
開会中の市議会9月定例会(上地廣敏議長)は7日、提案された予算案などの議案に対する質疑が行われた。この中で、農業委員の選定や農業委員の構成要件、中立委員の増員について多くの議員からプロセスが不透明と質疑が集中した。評価委員会からの評価内容が低い候補者も選定されているなどと多くの議員が指摘。市当局は「候補者の決定については評価委員会からの報告などを踏まえて市長が判断した」との答弁を繰り返した。
農業委員は6月1日~同30日まで募集。定員17人に対して38人から応募があった。その後、市農業委員・農地利用最適化推進委員候補者評価委員会が選考した。評価項目、採点基準に基づき評価。その内容を市長に報告し、市長が最終的に判断したという。
委員の構成要件は中立を除く16人で農地の面積を割り、1人当たりの面積を出し、各地区に配置する。通常であれば平良地区5人、城辺地区5人、上野、下地、伊良部が各2人となっている。しかし、今回は中立2人となったことで平良地区が1人減っている。
質疑では多くの議員が農業委員は17人のうち過半数は認定農業者等で占めることとなっているが、今回の同意案では認定農業者が8人となっている。それ以外の認定農業者も応募しているが選考漏れしており、要件を満たしていないとの指摘をした。
また、中立委員は農業委員会の諸事務に利害関係を有せず公平公正な組織運営をするために選出される。今回は1人追加されたが、428点の候補者と74点の候補者が選定されている。しかしこの間には200点以上の候補者もいるが選考漏れしていることへの説明も求めた。
下地信男氏は「候補者一覧表に評価点や順位、次点候補者が示されている。評価委員会の委員合意のもと提出されたと思う。評価点の高い人が農業委員としてより適正であると認識できると思うが、評価点の低い人が高い人を越えて候補者となっていて非常に疑問だ。何を持って適正と判断したのか」と質問した。
與那覇勝重総務部長は「公平公正な組織運営ができるようにという観点から市長が最終的に決定している」と答弁した。
新里匠氏は「市長が中立委員を増やすことや委員を入れ替える判断したのはなぜか」と質問。座喜味一幸市長は「農地行政は宮古島にとって課題。今回の農業委員会は重要だと思っている。スピード感を持って外部の意見を反映できるように中立を2人にした」と説明した。