ヒメシャコガイの有用性強調/河野教授(北九州市立大)が講話
持続可能社会テーマに/宮古で応物学会セミナー
応用物理学会エネルギーシステム研究会(杉山正和代表)の「2023年夏のセミナー」が6日から宮古島各地で行われている。8日は市未来創造センターで「島しょ部から考えた持続可能社会」をテーマに一般向けフォーラムが行われた。北九州市立大学国際環境工学部の河野智謙教授(農学博士)がヒメシャコガイの有用性について講話。環境に対する負荷もなく、窒素を吸収して海水をきれいにすることなどを紹介した。
今回のセミナーは「再生可能エネルギー利用(水電解や二酸化炭素還元など)と、サステナブル社会の関係をテーマに、実証設備とその後。宮古島市が進めている『千年先の、未来へ。』に基づいた新しい考え方の事業を考える」を掲げている。
ヒメシャコガイについて、河野教授は「光合成生物なので植物が肥料を吸うように海の中にある窒素などを吸収して、海水をきれいにする」と説明した。
さらに、水産物の養殖の際の廃水は、そのほとんどが海を汚すと指摘し、魚とヒメシャコガイの養殖を両立することで、環境負荷のない養殖が実現する可能性も示した。
そのほかフォーラムでは、「バイオエタノール」や「エネルギー貯蔵」をテーマにした講話も行われ、参加者たちは活発に意見を交換した。
同研究会は、持続可能な社会の構築には「温暖化と資源枯渇からの脱却」が必須であり、そのためには画期的な省エネ・省資源技術などへの転換技術の実現が不可欠としている。
さらに、取り組みを通してエネルギー・環境問題の大きな技術打開を生み出す活動を有機的に結び付けながら、その達成に向けて貢献することを目的に掲げている。