農業委員 構成人数変更は「越権行為」/市議会一般質問
下地氏が市長判断問題視/市長「前例参考に」と主張
開会中の市議会9月定例会(上地廣敏議長)は20日から一般質問が始まった。初日は5氏が登壇した。下地信男氏は農業委員会委員選定のプロセスなどについて質問。市当局はこれまでの答弁と同様の内容を繰り返し、平行線をたどった。農業委員の構成人数が変更される状況について下地氏は「市長の越権行為」と強く指摘した。評価委員会からの評価点が低い候補者が選定されていることについては、座喜味一幸市長が「前例を参考にした」と答弁。下地氏は座喜味市長が選挙期間中「市政刷新」と訴えてきたと指摘し「公約違反だ」と非難した。
委員の構成要件は「市農業委員会の農業委員の選任に関する事務処理要領」の中で定められており、中立を除く16人で農地の面積を割り、1人当たりの面積を出し、各地区に配置することになっている。
人数は平良地区5人、城辺地区5人、上野、下地、伊良部が各2人となっている。配置人数の変更には構成要件を農業委員会が変更した後となるが、今回は候補者を市長が判断したことから配置人数が中立2人となり、平良地区が1人減の4人となる。
下地氏は「要領は農業委員会が変更するもので、市長が勝手に変更できるものではない。変更できるなら根拠を示してほしい」と質問。これに市当局は明確な回答をせずこれまでの答弁を繰り返した。
また、今回、中立委員が1人から2人に増員されるが、200点以上の候補者がいる中で、74点の候補者が選ばれている。一般的に見れば、評価点の高い順から選ばれると考えられるが、今回提案されているのは点数の低い人が高い人を押さえて選出されている。
下地氏は「評価委員会の評価は公平性、透明性を担保するためのものだと考える。そこから上がってきたものと違い、評価の低い人を選考している。政治的判断が入ると公平性や透明性がなくなる。評価について市長はどう考えているのか」と質問した。
座喜味市長は「評価委員会の点数が最終的な決定というような極めて事務的な判断ではない。前回の農業委員会の選任でも(前市長がさまざまな判断を)している経緯があり、前例を参考にしている。前市長が政治的判断をしたかどうかはあえて言わないが、政治的判断ではなく、総合的に農地行政の効率化迅速化を進めていくということで判断した」と述べた。