市長「越権行為ではない」/農業委選定
任命は市長裁量と反論/「客観的判断」との認識示す
開会中の市議会(上地廣敏議長)9月定例会は21日、一般質問の2日目が行われた。前里光健氏は農業委員会委員選定について「評価委員会が適任としている候補者を市長が変えることは越権行為ではないか」などと座喜味一幸市長の責任を追及。座喜味市長は「報告を受けて市長の裁量で判断できるものと考えている。越権行為ではない」と反論した。同日の一般質問には前里氏のほか下地茜、久貝美奈子、狩俣勝成、下地信広の5氏が登壇した。
前里氏は「委任とは法律に基づいて任せている。そこで決まったものを覆すことができるという解釈は当たらないと思う」などと強調し、市長の越権行為だと重ねて主張した。
嘉数登副市長は「市長の権限に属する事務をすべて委任したということではなく、候補者の募集や候補者の選任という一部の委任だと理解している。任命の権限は市長に属していると考える」との認識を示した。
座喜味市長は「評価委員会の適任であるとの報告を受けて、農地行政の迅速化、女性や若者の登用について十分に配慮されるべきだとの意見交換をし、評価委員会の結果も大事にしながら判断した。評価委員会の報告が必ずしも決定事項だとは考えていない」と説明した。
また、狩俣氏は農業委員の候補者選考は中立委員を増やすより、農地法などに詳しい人を増やすべきだとの意見を述べた上で、選考への政治的な介入について座喜味市長の見解をただした。
これに対し座喜味市長は「特別公務員になるので公平公正に法に基づいて判断すべき。これまでの選挙制から市長任命制になったことでいろいろなしがらみもあったと思う。若手や女性の感性の導入などを考えて客観的に判断できたと自負している」と答えた。