子孫と島の繁栄願う/来間島伝統行事「ヤーマスプナカ」
きょう4年ぶりにパレード
旧暦9月の甲午(きのえうま)の日に行われる来間島の伝統行事「ヤーマスプナカ」が3日に同地区であった。この日は、3兄弟の家元で子孫繁栄を祈願する「サラピャース」と「マスムイ」の儀礼が行われ、この1年間に誕生した子供を先祖に報告しながら神酒を飲み、子孫繁栄と島の発展を願った。
きょう4日は、新型コロナウイルス感染症の影響で取りやめていた島内を練り歩くパレードが4年ぶりに復活するほか、「雨乞い座」と呼ばれる広場で島の子供たちも参加した棒振りや奉納の踊りが行われ、島民の無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する。
ヤーマスプナカは、子孫繁栄や無病息災、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するもの。来間島を救い、繁栄させたと伝えられる3兄弟の家元(長男スムリャーブナカ、次男ウプヤーブナカ、三男ヤーマスヤーブナカ)を中心に祭事が行われる。
このうち、次男のウプヤーブナカの家主、砂川輝夫さん宅では、午前8時30分ごろから「サラピャース」が始まり、住民らに神酒が振る舞われた。
子宝に恵まれた1年を祝い神酒を回し飲む間は、老若男女を問わず全員で神うたを歌い、生まれた子供の健やかな成長を願った。
この後、マスムイが行われ、この1年で生まれた子供の名前が紹介された。
家主の砂川さんは「こうしてヤーマスプナカが開催されるということで、近づいていた台風14号も天の神様が来間島から遠ざけてくれた。これからもこの祭りはしっかりと盛り上げて継承していきたい」とあいさつした。
昨年12月に誕生した来間奏太くんと参加した父・大記さん(27)は「私の父が来間島の出身で、私自身も赤ちゃんの時に参加した。自分の子供もこうして参加できて感慨深い。多くの皆さんから『おめでとう』と言われてうれしかった」と喜んだ。
那覇市出身の妻・妃咲さん(27)は「来間島の伝統に触れられてうれしい。みんなに愛されてすくすくと元気に育ってほしい」と笑顔になった。