ホテル売却1カ月延長/マリン社
「震災影響」を理由に
宮古島市などが出資する第3セクター宮古島マリンターミナルの社長・下地敏彦市長は20日、同社が所有するホテル棟の売却先の宮古島シティアンドリゾート(市上野、西里秀徳社長)との売買契約を当初予定の20日から1カ月後の5月20日に延長することを明らかにした。
下地市長は延長の理由を、東日本大震災の影響で観光客数が減少する傾向にあるとし、宮古島シティアンドリゾートと融資機関との間でホテル経営の採算性など事業計画の見直しに調整が必要なためと説明した。契約延長の影響については「私たちが金銭的に負担を受けることは何もない」と述べた。
ホテル棟の売却先については、最低売却公募額を11億8800万円に設定し昨年12月に入札を行ったが、応札企業はなかった。このため、資産評価額の7割に相当する8億3000万円にし再公募したところ2件の応札企業があった。入札は3月15日に行われ同24日の取締役会で宮古島シティアンドリゾートを売却先として正式決定した。
入札時の応募要項によると「売買契約締結の際、契約保証金として契約金額の10分の1(8300万円)以上に相当する額を納付する」。また、売買締結後、原則30日以内に契約金額から契約保証金を差し引いた金額を納付することと明記されている。売買契約締結が延長されたことで、契約保証金納付なども1カ月間延びる。
下地市長は「震災の影響で県全体でも旅行者が極端に少なくなっている。(売買契約締結日を)4月20日と決めたのはそういう想定をしていなかった」と述べた。
売却先を宮古島シティアンドリゾートに決定した理由について下地市長は3月24日の取締役会後「金融機関から正式な融資の承認を受けていることなど、総合的な条件を勘案した上で決定した」と説明していた。記者から「(決定理由は)今回の売買契約締結の延長とは矛盾しないか」との質問については「その時点からは経済状況ががらりと変わっているという認識だ」と語った。
「5月(20日)以降、再延長することはない。(宮古島シティアンドリゾートにも)そう言い渡してある」と述べ、契約締結期限を再度延長する考えはないことを強調した。
今回の契約締結延長については「取締役会を開く時間的余裕がなく、持ち回り決済という形で取締役会全員の了解を得た」と話した。