事前調整メモが存在/市議会調査特別委
農業委員会が独自作成/当局とのやり取り記録
農業委員候補者の選考をめぐる市議会の調査特別委員会(富浜靖雄委員長)の第4回委員会が30日、市議会内で開かれ、候補者を確定する前に座喜味一幸市長や嘉数登副市長を交えた市当局とのやり取りを記録したメモを農業委員会が作成していたことが明らかになった。メモは候補者決定の決済を受ける直前の8月14、15日のもので農業委員会が「備忘録」として独自に作成していた。求めに応じて次回の調査特別委員会に提出する。
農業委員候補者選考は農業委員会で告示され、応募を受け付ける。応募者を評価委員会がそれぞれ項目別に審査し、得点制で評価する。野党側は、告示時点では中立委員1人だったのが2人に変更され、地区割り当ての委員が1人減。また評価委員会の得点で下位だった応募者が候補になったことを問題視している。
当局は市長に任命権限があるとし、選考の正当性を主張している。一方、選考事務の委任を受けている農業委員会事務局は「委任規則に協議事項との文言があれば、候補者を替えるのは可能だが、その文言がない」との見解で相反している。
30日の調査特別委員会では候補者選考の最終過程の8月14日、総務部長、評価委員長、農業委員会事務局が座喜味市長と、同15日には嘉数副市長と行った協議内容の聞き取りが行われた。農業委員会の上地明弘事務局長はメモの存在を明らかにし、個人情報を伏せた上での提出は可能とした。
この日は告示された事務処理要領の内容を市長が変更した部分について県農業会議の「委任規則は適正な手続きを経て策定されたものであり、その内容を変更することは選考基準の統一性・公平性の上で望ましくない」との見解が公表された。