ジュゴン保護へ認識共有/対策連絡会議
目撃情報の提供求める/関係機関職員ら対策確認
ジュゴン保護対策宮古諸島関係者連絡会議が9日、市役所で開かれた。環境省や県、市、漁業、海洋レジャー団体などの職員らが参加し、ジュゴンの保護に関する情報共有や県の希少野生動植物保護条例およびジュゴン保護対策事業の概要などについて環境省や県の職員から説明を受けた。
ジュゴンは2021年に県希少野生動植物保護条例の指定希少野生動植物種に指定された。指定希少種は捕獲、採取、殺傷、損傷、譲渡し、譲り受け、引き渡し、取り引きが禁止されているが、学術研究や繁殖、教育、調査、保護を目的とした捕獲等は許可されている。
ジュゴン保護のための取り組みとして、目撃情報の提供とともに、▽船舶等の航行に当たりジュゴンの存在確認や低速度による航行▽土地造成や農作業による赤土等流出防止▽工場排水や農業排水の水質改善▽家庭排水等による河川の水質汚濁等の軽減▽沿岸域への建築物・工作物建設などに伴う潮流の変化の低減▽ごみ対策(ビニール袋や釣り糸などを川や海に捨てない、川や海岸の清掃活動への参加)-などを求めた。
県自然保護課の東盛舞子さんは「(ジュゴンの)目撃情報が重要な情報源。それを基に調査地点を設定し、実際に行ってみることで食(は)み跡が見つかっている。最近は国内でジュゴンの個体の写真が撮影できていない。ジュゴンを見つけたら写真を撮影してほしい」などと呼び掛けた。
意見交換も行われ宮古島漁業協同組合の栗山弘嗣組合長が「ジュゴンを保護することで藻場の保護につながり、藻場が保護されることでモズクの芽出しなどが良くなる。海が良くなることで漁業者のためにもなる。そういったことを行政がもっと周知すれば漁業者も協力してくれると思う。皆で協力して保護に取り組んでいければ」と話した。