キビ交付金 トン当たり1万6860円/政府決定
4年連続で据え置き/農機の維持体制支援へ
【那覇支社】政府・与党は29日、2024年産のサトウキビについて、生産者交付金を1㌧当たり1万6860円とすることを決めた。4年連続の据え置きとなる。今年度の補正予算で、農業機械の「メンテナンス体制」を整備する取り組みへの支援を行うことも新たに決まった。基準糖度帯に変更はない。
同交付金は、販売価格と国内農家の生産コストの差額を支援する制度。砂糖の海外相場が上昇している現状では差額が縮小するため、政府が厳しい判断をする可能もあったという。一方、生産者からは、燃油価格の高騰や円安などで生産資材価格が高騰し、農業経営を圧迫しているとの声が上がっていた。
生産振興対策では、労働力確保の取り組み、省力化のための農業機械の導入やメンテナンス体制の整備、土作りや優良品種への転換、生産基盤の整備、担い手・作業受託組織の育成・強化などを、今年度補正予算26億円の内数で行うことが決まった。
また、自然災害からの生産回復などを支援するセーフティネットとして「さとうきび増産基金」の予算を確保し、台風や干ばつなどへ適切な対応が可能となるよう、引き続き措置することも決定した。
JA沖縄中央会の嵩原義信代表理事専務は14日、県庁で報道陣に対して「サトウキビを継続して生産できる環境作り、増産に向けた支援策、交付金水準の維持を勝ち取りたい」と語っていた。
農林水産省によると、ハーベスター使用や雑草防除対策への支援を実施するかなどについては、今後決まるという。