調査報告書 野党修正案を可決/農業委選考調査特別委
市長の対応は「不適切」/きょう市議会12月定例会へ提出
農業委員候補者の選考をめぐる市議会の調査特別委員会(富浜靖雄委員長)の第9回委員会が4日、全員協議会室で開かれ、富浜委員長がまとめた調査報告書のたたき台が示された。この内容に対し、野党議員が修正案を提案。採決によって修正案を賛成多数(賛成6人、反対2人)で可決した。報告書は5日に開会する市議会12月定例会に提出される。
修正案は、事務手続きの正当性について市農業委員会が事務委任規則や各種規則要領に従っていることを認めた内容。座喜味一幸市長に対しては「『固有の権限』を主張するのみで公平透明性が求められる農業委員選任への対応として、不適切であると言わざるを得ない」と厳しく批判している。
問題の原因については「市農業委員会の農業委員の選任に関する事務処理要領の存在を、市長部局が把握していないのに変更したこと」と判断した。
今後、同様の問題が起こらないためには「任命権は市長にあることに異論はないが、『議会の同意を得る』ために『公平性および透明性』を確保してきた評価委員会の選考を尊重し、それに基づく決定をすることが今後求められる」と促した。
たたき台の内容について野党議員らは「どちらが正当か決めなければならない」「県農業会議の意見が重視されていない」として修正を要求。与党議員は修正を拒み、議論は平行線となったため、意見の集約は不可能だとして採決を行った。
たたき台を変更しないことを支持した山下誠氏は「委員長のたたき台は、客観的包括的に極めて冷静な判断で書かれている。事務処理要領の存在について認識不足で進められたことが最大の要因だ」と語った。
修正案を出した新里匠氏は「県農業会議が市農業委員会の手続きに問題はないと認め、望ましくないのは市長の方だと示している。評価委員会の選考を尊重した決定が行われるべきだ」と述べた。
採決の結果、野党と中立の6人が修正案に賛成した。