農業委の手続きは適正/市議会調査特別委
市長対応を不適切と批判/賛成多数で報告書決定
市議会(平良敏夫議長)の農業委員会委員候補者の選考に対する調査特別委員会(富浜靖雄委員長)は5日、同日開会した市議会12月定例会の本会議で報告書を提出した。報告書は第9回委員会で野党議員がたたき台を修正し、可決したもの。農業委員会の手続きは適正だったと認め、座喜味一幸市長に対しては「公平透明性が求められる農業委員選任への対応として不適切である」と批判している。調査の件は採決の結果、賛成多数(賛成14人、反対9人)で、委員会調査結果報告書の通り決定した。
討論では賛成の立場で我如古三雄氏は「農業委員に関する事務処理要領の存在を市長部局側が把握していないのに変更したことに原因があった。公平性・透明性が確保された評価委員会の選考を尊重し、決定することが求められると結論付けた報告書は妥当である」と訴えた。
反対の立場で下地茜氏は「たたき台にはあった市長部局と農業委員会の密な連携が必要との文章が報告書では削除されている。報告書では市長の対応のみに焦点を当てて断じている。調査特別委員会を開いた結論は、より建設的であるべきだ」と強調した。
質疑で長崎富夫氏は「この報告書はフェアではない。県農業会議の見解だけ述べられており、顧問弁護士の法解釈についても取り上げるべきだ」と主張。富浜委員長は「顧問弁護士の意見は報告書に載せている。県農業会議の意見は事実であり、報告書の内容は適切だ」と答弁した。
平良和彦氏は「農業委員会の備忘録(メモ)を全議員に配布してほしい」と要求。平良議長が申し出に応じ、全議員にメモが配られた。
メモは農業委が8月14日に座喜味市長と、翌15日には嘉数登副市長と調整した際の内容を記したもの。個人情報や個人が特定できるような内容は黒塗りにしてある。
報告書では、問題の原因について「農業委員の選任に関する事務処理要領の存在を、市長部局が把握していないのに変更したこと」と判断。今後、同様の問題が起こらないためには「『公平性および透明性』を確保してきた評価委員会の選考を尊重し、それに基づく決定をすることが今後求められる」と促している。