能登半島地震 被災地で医療活動/下地診療所の打出さん
避難所での巡回診療など/被災者に寄り添う支援訴え
下地診療所理事長で医師の打出啓二さんがこのほど、日本医師会災害医療チームの一員として、能登半島地震の被災地で医療活動に従事した。活動を終え帰島した打出さんは現地の状況を振り返りながら「困ったときはお互いさまの気持ちで、被災者に寄り添った支援を継続していただきたい」と語った。
期間は1月26日から5日間で、県医師会から派遣され、能登半島中部の七尾市に入った。能登中部保健医療福祉調整本部に配属され、各組織間の調整業務、情報収集、避難所での巡回診療などを行ったという。
調整本部には、能登中部保健所長をトップに、災害派遣医療チームや日本赤十字社、災害派遣精神医療チームなどが一堂に集まり、被災者支援業務に尽力した。
調整本部の主な活動は、地域の基幹病院の機能を維持するための病院支援、自宅で生活している高齢者らの健康管理を行う在宅支援などがある。
能登半島地震では、家屋の倒壊や津波に加え、輪島市の大規模火災など、さまざまな災害に見舞われ多くの犠牲者が出ている。
1カ月が経過した現在も断水が続き、生存者も不自由な生活を強いられている。避難所で生活する被災者は1万人ほどいるという。
打出さんは「復興にはまだまだ時間は掛かるが、自分にできる事をできる範囲で、被災者が少しでも前を向いて生きていけるよう支援したい」と述べた。
また、地震や津波災害はいつ発生するか分からないとして「日頃からの備えはもちろん、災害に遭ったらどのような行動をすればよいのか、どのようにすれば命が守れるのかを、今一度考えてみてはどうでしょうか」と呼び掛けた。