経済活性化で所得向上/市議会3月定例会開会
「市民のための市政」強調/座喜味市長が施政方針
座喜味一幸市長は1日に開会した宮古島市議会(平良敏夫議長)3月定例会で2024年度の施政方針を表明した。公約の市民の所得向上については、6次産業化の推進、地産地消の促進により農畜水産業や観光産業の付加価値を向上させ、域外からの投資を確保するとともに、地域内の経済循環を促進し、経済の活性化を図ることなどを掲げた。また、市長任期の集大成として市のさらなる飛躍に向けて「市民のための市政」運営を強調した。
座喜味市長は、主要施策として6項目を掲げた。このうち、「地下水や豊かな自然環境と共生する島づくり」では、白川田地下水流域において、地質構造と流域界位置の精度向上等の調査を継続し、新たな水源候補予定地の選定につなげる。また、増加する水需要に適切に対応するために、「長期水需要計画」の策定に取り組む。
「子ども達が笑顔にあふれ活力と郷土愛に満ちる島づくり」では、不登校等、課題を抱える児童生徒の社会的自立に向けて、校内自立支援教室の設置や学習支援員の配置等、支援体制の構築を図る。
「一人ひとりが支え合う幸せと潤いのある島づくり」では、高齢者の要介護状態や認知症の進行を防ぐため、外出等における移動手段への支援として、シニアカーの購入費への助成や増大する介護需要への対応として、介護人材の確保および介護職の定着率向上を図るための「介護初任者研修」「介護福祉士実務者研修」を新たに実施する。
「島の特色を生かした産業と多彩な交流・活力にあふれる島づくり」では、次世代を担う農業者の育成・確保を図るため、必要な機械・施設等の導入を支援するとともに、就農直後の経営開始資金を交付する。
「安全・安心で快適な暮らしが持続する島づくり」では、自主防災組織の必要性についての啓発を図り、新規の設立や設立後の育成・強化のための活動支援に取り組む。防災性の向上、安全で快適な通行空間の確保等を図るため、中央縦線の無電柱化を実施する。
「市民との協働により夢と希望に満ちる島づくり」では、女性が活躍できる社会を目指して、家庭、職場、学校、地域等、あらゆる場において女性が安心して働ける職場環境の整備を促進するため、ワーク・ライフ・バランスへの意識啓発活動を推進する。
座喜味市長は最後に、「市長任期の集大成として、将来を見据えた持続可能な島づくりを堅実に進めることが私の責務と考えている。2024年度を新たなステージヘのステップアップと位置付け、6次産業化の推進を柱とする地域の『稼ぐ力』の強化、質の高い観光産業の推進、きめ細かい行政サービスの提供等について、これまでの取り組みをより強化していく」と語った。