診療所が3月末で閉鎖へ/徳洲会伊良部島
新たな動きも報告/地域住民らが意見交換
徳洲会病院伊良部島診療所が31日に閉鎖されることが分かった。同所には張り紙が掲示され、利用者に理解を求めている。住民らは医療体制が崩れることに危機感を募らせている。閉鎖を受け、佐良浜振興会(中村雅弘会長)は10日、前里添多目的施設で「伊良部の医療を考える集い」を開催し、地域住民らと意見交換した。参加した地元出身の市議からは、同所に別の医療法人が新たに病院を開設する計画があることが報告された。
同診療所は2022年から常勤管理者不在の状況が続き、「医療法上の診療を継続することが困難になった」としている。現在は週に1日半のみ診療を行っている。
診療所の閉鎖については、地元出身の市議や旧伊良部町議が徳洲会や別の医療法人に接触し、4月以降の医療体制の復活を目指してきたという。
元町議の洌鎌敏一さんが開院から閉院までの経緯を説明。伊良部大橋が完成したことにより、へき地として認められなくなり、常勤する医師の管理者が必要になったという。
仲間誉人市議は「ある医療法人が伊良部診療所を運営したいという動きがある。実現に向けて行動し、市に対しても支援を強く求めたい。島の交通弱者が安心して通える医療体制に戻したい」と報告した。
新里匠市議は「病院がなくなったら行政が責任を持って行動しなければならない。市や県に意見書を提出するなど(地元出身議員の)仲間氏と下地信広氏と相談して動きたい」と語った。
中村会長は「いい話が聞けて良かった。皆さんも少し安心したのではないか」と話した。参加者らは2週間後に再度、情報交換や今後の要請活動などについて話し合うことを決めた。